課題研究成果報告

連番
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代表研究者氏名
中川 直人
研究代表者所属機関名・役職
東北大学病院 薬剤部・薬品情報室長
課題研究班メンバー (代表者:○) ※所属は申請時点
○中川 直人1)、村井ユリ子2)、小原 拓3)、大原 宏司4)、栗田 幸代5)、眞野 成康6)、Leanne Lai7)
1)東北大学病院 薬剤部、2)東北大学大学院薬学研究科、東北大学病院 薬剤部、3)東北大学東北メディカル・メガバンク機構予防医学・疫学部門、4)奥羽大学 薬学部、5)中嶋病院 薬剤科、6)東北大学大学院薬学研究科、東北大学病院 薬剤部、宮城県病院薬剤師会、7)Nova Southeastern University College of Pharmacy, USA
課題研究名
日本および米国における薬剤師の臨床試験の論文利用に関する意識
設置期間
平成26年4月1日~平成28年3月31日
課題研究の背景及び目的

1.課題研究の成果
【目的】
米国では、文献評価学という教科が重要であり、多くの薬学部では必須科目となっている。一方、日本では課題研究を進める際に論文を多読するが、論文の読み方を講義等で扱うことは稀である。そこで、論文の批判的吟味に関する講義等の有無が、薬剤師業務における最新情報の収集に与える影響を調べることを目的に、臨床試験論文に関する日米の薬剤師の意識調査を実施した。
【方法】
 宮城県の薬剤師1,997人及びフロリダ州の薬剤師18,744人を対象とした。宮城県の薬剤師にはアンケートを郵送し、フロリダ州の薬剤師にはwebアンケートのURLをEメールで配信した。
【結果】
 宮城県の薬剤師605人(回収率30.3%)及びフロリダ州の薬剤師171人(回収率0.91%)から回答があった。フロリダ州の回収率が低いため統計解析は行わなかった。「あなたは臨床試験の論文を読む習慣を持っていますか」に対して「持っている」とした薬剤師は宮城県14.7%、フロリダ州71.9%であった。「あなたは学生の時、臨床試験の論文の批判的な読み方についてどのくらい学びましたか」(1;全く学んでいない、7;しっかり学んだ)に対して、中央値は宮城県「1」、フロリダ州「5」だった。
【結論】
 これまでの日本の薬学教育では、論文の批判的吟味に関する講義等を十分に行っていないため、最新の論文から収集した医薬品情報を日常業務に十分に生かしていないと考えられた。
2.研究発表
[学会発表]
1. 中川 直人、村井 ユリ子、小原 拓、大原 宏司、栗田 幸代、Leanne Lai、眞野 成康. 日本および米国における薬剤師の臨床試験の論文利用に関する意識調査.(口頭) 第 18 回 日本医薬品情報学会総会・学術大会、2015 年 6 月 27 日- 28 日、岡山大学創立五十周年記念館
資料