課題研究成果報告

連番
15
代表研究者氏名
酒井 隆全
研究代表者所属機関名・役職
名城大学薬学部
課題研究班メンバー (代表者:○) ※所属は申請時点
課題研究名
自発報告データベースを用いた研究の実態とそのあり方に関する検討
設置期間
平成 29 年 4 月 1 日~平成 30 年 3 月 31 日
課題研究の背景及び目的

1.課題研究の成果

【目的】Japanese Adverse Drug Event Report database(JADER)には、研究に利用するにあたって留意すべき様々な限界点があるが、これらを的確に把握することは難しい。そこで、本研究の目的はJADERを用いた研究発表(学会発表、学術論文)における留意点を明らかにし、研究発表の際に参照すべきチェックリストを作成することとした。更に、作成したチェックリストを用いて、JADERを用いた研究発表の実態を明らかにすることを目的に検討を行った。


【方法】①チェックリストの作成:まず、国際医学団体協議会の「ファーマコビジランスにおけるシグナル検出の実践」を素材として、チェックリストの案を作成した。次いで、チェックリストの案を少数の研究発表に適用してトライアルを行い、不足しているチェック項目を確認した。最後に、薬剤疫学分野の専門家を招聘し、課題研究班における会議でブラッシュアップを行って完成とした。②JADERを用いた学術論文の実態調査:①で作成したチェックリストを現在までに公表されている学術論文に適用し、各チェック項目の充足率を算出した。


【成果】①:成果物として、「JADERを用いたデータマイニング(主に不均衡分析によるシグナル検出)の研究発表の際に留意すべきチェックリスト」を作成した。②:チェックリストの充足率は「MedDRAのバージョンが利用したデータセットと一致」で最も低く、次いで低かったのは「検討課題は未知の医薬品-有害事象の関連性」であった。
【考察とまとめ】本研究で作成したチェックリストは、JADERを用いた研究発表における留意点を要約しており、研究発表の質的向上に寄与できると考える。また、JADERを用いた学術論文の実態調査より、研究者はMedDRAの適切な利用やシグナル検出の本来の目的は仮説生成であることに留意すべきと考えられた。

2.研究発表
資料